睡眠障害(児童思春期外来)
selflabo
子どもの睡眠障害
子どもの一般的な睡眠時間
子どもの一般的な睡眠時間として、以下がひとつの目安とされます。
- 1〜2歳:11〜14時間
- 3〜5歳:10〜13時間
- 6〜13歳:9〜11時間
- 14〜17歳:8〜10時間
※あくまでも目安です。子どもの睡眠時間や睡眠リズムには個人差があります
子どもの睡眠時間は大人とは大きく異なり、年齢にもよりますが1日の半分近くが睡眠時間となります。
しかし、近年はスマートフォンやソーシャルメディアなどによる影響で、子どもの睡眠時間が減少していると示唆されています。

子どもにみられる主な睡眠障害
不眠症
子どもの不眠症として、以下の症状がみられます。
- 生後6ヶ月以降の夜泣き
- 2歳以降の寝ぐずり
- 寝付くまで時間がかかる
- 夜中に目を覚まし、眠れない
そのほか、夜寝付くとき、あるいは夜中に目を覚まして再度眠るとき、テレビがついている・両親が部屋にいるなど、特定の条件がないと眠れないといった症状も不眠症によるものと考えられます。
子どもの不眠症は、不適切な生活環境のほか、ストレスや隠れた疾患が背景にあるかもしれません。
そのため、就寝や起床時間を決め、寝室の気温や湿度を心地よい状態に保つなど、睡眠まわりの環境を整えて不眠症の改善を目指すことが大切です。環境を整えても改善がみられない場合は、薬物療法を検討することもあります。
過眠症
過眠症は、夜十分に眠っているのに、昼間に眠気がある睡眠障害のひとつです。睡眠時間が長い傾向にあり、朝に目覚ましが鳴ってもなかなか目覚めず、熟睡した感じがしないなどの特徴があります。
学校生活においては、授業をしっかりと聞けず、居眠りが多く、結果的に先生からの評価が下がったり成績が落ちたりすることがあります。
また、日中の強い眠気(過眠症状)が現れる背景には、「ナルコレプシー」とよばれる睡眠障害が考えられます。
ナルコレプシーは日中に耐え難い眠気がきたり、会話の途中など、通常では考えられない場面で眠り込んでしまったりすることが特徴です。
睡眠不足症候群だと考えられていたものが、検査の結果、ナルコレプシーが原因と診断されることもあり、適切な治療を進めるためには慎重に鑑別することが重要です。
睡眠覚醒リズム障害
睡眠覚醒リズム障害(正式には「概日リズム睡眠覚醒障害」)は、体内時計がうまく機能せずに正常な睡眠リズムを送れなくなる睡眠障害のひとつです。
夜に寝て朝に目覚め、日中活動するという生活をするのが難しくなり、日中に体調がすぐれずすぐに横になってしまうなどの特徴があります。その結果、学校の授業についていけなくなり、不登校につながることもあります。
睡眠覚醒リズム障害の治療には薬物療法や、高照度光療法などが検討されることがあります。また、医療機関と協力しながら、学校と連携し、保健室登校などの配慮を行うなど、障害を抱える子どもの周りの人たちが協力し合って症状改善を目指すことが重要です。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群
閉塞性睡眠時無呼吸症候群は、眠っているときにいびきをかいたり、一時的に呼吸が止まったりし、それらが理由で睡眠不足となる睡眠障害です。
結果的に、日中の眠気や注意力の低下、落ち着きがない、不機嫌になりやすい、学校の成績が低下するなどの特徴があらわれることがあります。
大人の睡眠時無呼吸症候群は肥満が原因となりやすい一方で、子どもの場合はアデノイド肥大や扁桃肥大などによって、上気道が閉塞してしまうことが原因とされています。
睡眠時随伴症
睡眠時随伴症は、入眠直前や睡眠中などに起こる異常な行動の総称をいいます。子どもの睡眠時随伴症には主に以下があげられます。
- 夜驚症:夜中に急に叫んで飛び上がることがある
- 悪夢症:怖い夢によって夜中に覚醒することがある
眠っているときに急に叫んだり悲鳴をあげたりするなどの症状がみられる場合は、睡眠時随伴症が疑われる可能性があります。
夜驚症や悪夢症は、子どもの正常な発達においてよく起こる症状でもあり、自然に軽快していくことがほとんどですが、本人やその家族が強い負担を抱える場合は治療が検討されます。
また、睡眠中や入眠時に起こる無意識かつ反復的な身体の動きにより、睡眠が妨げられる疾患群を「睡眠関連運動障害」といいます。
睡眠関連運動障害の代表的なものに、「むずむず脚症候群」があります。むずむず脚症候群は、夕方〜夜にかけて脚に不快感を覚え、脚を動かしたくてたまらなくなることで、入眠が妨げられるなどの特徴があります。
睡眠障害と発達障害に関係はある?
発達障害のある子どもは、睡眠に関する問題を抱えていることがあります。
発達障害がない子どもが睡眠障害を抱える割合が25〜40%とされるのに対し、ADHD(注意欠如・多動症)のある子どもは25~50%、さらに、ASDのある子どもはそれ以上の割合で睡眠障害を合併しているとの報告もあります。
発達障害のある子どもが不眠に悩みやすいとされるのは、感覚の過敏さという特性、不安症状、身体が睡眠リズムを作る機能の問題などが背景にあると考えられています。

子どもの睡眠障害の治療
子どもの睡眠障害が生じる原因として、日中の活動量不足、生活リズムの乱れ、スマートフォンやゲームの過剰使用など、さまざまな要因が考えられます。
そのため、子どもの睡眠障害の治療では、はじめによりよい睡眠をとるための環境調整が行われます。
例えば、寝るときは部屋を暗くしたり、就寝前のカフェイン摂取を避けたり、寝る場所の温度や湿度を心地よい状態に保ったりし、快適に眠れる睡眠環境を整えることから始めます。
また、朝目覚めたらカーテンを開けて日の光を浴びたり、朝ごはんを食べたり、日中の活動量を増やしたりして、寝つきをよくする工夫も症状改善に役立つ可能性があります。
環境調整をしても症状の改善がみられず、日常生活に支障をきたしている場合には、どのような睡眠障害なのかを特定し、それに応じた治療を行います。
もしかして睡眠障害かも?子どもの睡眠のチェックリスト
子どもの睡眠において、次のような症状に心当たりはありませんか。
- 眠りにつくまで時間がかかる
- なかなか布団に入りたがらない
- 眠りにつく時間が遅くなってきている
- テレビがついていないと眠れない
- 家族の誰かが同じ部屋にいないと眠れない
- 朝決まった時間に起きられない
- 目覚めたときの機嫌が悪い
- 学校によく遅れる
- 学校でよく居眠りをしている など
これらの状態が複数当てはまり、生活に支障が出ている状態が続いている場合、睡眠障害の可能性も考えられます。
しかし、セルフチェックだけで診断を確定することはできません。症状が続く場合は、小児科、あるいは神経内科や精神科などの専門の医療機関へ相談することを検討してください。
子どもの睡眠のことでお悩みなら当院へご相談ください
当院では、子どもの睡眠障害に対して、「眠れないこと」だけではなく、「なぜ眠れなくなっているのか」を丁寧に整理することを大切にしています。
子どもの不眠には、
- 学校や人間関係のストレス
- 不安や気分の落ち込み
- 発達特性による過敏さや切り替えの難しさ
- 生活リズムの乱れ
- スマートフォンやゲームの影響
など、さまざまな背景が関係していることがあります。
そのため、単に睡眠薬を使用するのではなく、まずは生活リズムや日常の負荷を一緒に整理し、子ども本人が安心して休める環境づくりを重視しています。
また、保護者の方だけで抱え込まなくてよいよう、ご家庭での関わり方についても一緒に考えていきます。必要に応じて、発達特性や不安症状なども含めて評価し、お子さまに合った治療やサポートをご提案いたします。
「夜なかなか眠れない」「朝起きられない」「昼夜逆転している」など、気になる症状がありましたら、一人で抱え込まず、まずは当院へご相談ください。